医学部化学対策① 総論

はじめに

今回から何回かに分けて,医学部化学攻略法を大公開します。より細かい単元別の詳細は,追ってシリーズ化する予定です。

元鉄緑社員ではありますが念の為,これからの連載は「鉄緑メソッド」の公開ではありません。私が考える「医学部化学の攻略法」の伝授です。

どの塾,どの個人であっても,突き詰めれば結局同じような対策法に収束するわけですが,それが体系だって公開されていないのが問題だと思っています。

標準的な進め方ガイダンス(それがこの連載),市販の参考書,ピンポイントでプロの導き(塾・家庭教師),があれば高得点をとれますので,それをアシストしたいという思いでおります。

「医学部化学」ってどんな科目?

努力がみのりやすい科目

例えば英語・数学・理科に1/3ずつ配点されている医学部ですと,理科の更に半分が化学ですから,全体の1/6が化学に配点されているということになります。

化学は,計算と暗記が半々に組み合わさった科目です。計算範囲では,物理より「数学的センス」が要求されず,「決まりきった様に処理しきる」能力がむしろ要求されます。

つまり,暗記をしっかりやって,計算もお決まりのパターンを完璧にすれば点が取れる科目=努力が実りやすい科目,といえるでしょう。

ただ,理科3科目中コスパは最悪

努力は実りやすい,のですが,裏を返すと,暗記だけでも終わらないし,計算分野もセンスだけでは終われません。

どんなに得意だろうが苦手だろうが,かなりの時間をかけないと点を取れるようにならない,泥くさい科目なのです。

早目に学習を開始し,物理・生物より時間を取ってください

よって重要なのは,

早目に学習を開始し,何周も回す

ことです。化学は1周するだけでは理解できません。受験期までに何回も同じ範囲を回せるよう,高2から少しずつ進めておきましょう。

医学部化学の分野紹介

理論化学 (計算範囲)

化学の基礎理論についての計算範囲です。

この後続く無機化学,有機化学を理解するにあたっては理論化学の理解が必須であり,理論化学を疎かにすると,化学全体が苦手になってしまうので注意してください。

本番で要求される力は「処理力」と「筆算力」です。決まりきった手順を遂行しきる処理力と,電卓を叩きたくなるような地獄の筆算を遂行しきる筆算力が必要になります。

物理で必要とされる「数学力」とは別ベクトルなのが特徴です。

無機化学 (暗記範囲)

理論に引き続いて,各種物質について勉強していくのが無機化学・有機化学です。

無機化学では,周期表に出てくる元素を順番に見ていって,関連する重要物質を勉強していきます。

基本的には「物質の性質」の勉強ですから,暗記が中心です。理論化学を生かして暗記量を減らしつつ,残った分はまるっと暗記します。

覚えれば点数になりますし,そうでない場合でも「無機化学と見せかけて,やることは理論化学」ということも多いので,「純粋な無機化学の出題」という観点では,3分野の中では一番ハードルが低い分野となります。

有機化学(暗記範囲)

炭素を骨格とするような一連の物質について学びます。

基本的には無機化学と同様に暗記していく分野となりますが,本番での出題幅が広く,無機化学よりは本番の点数にするのに労力を要する科目です。

ただ,計算が絡んでくることは少ない範囲になりますので,計算嫌いの文系タイプ生徒さんには得点源にしやすい分野となります。

「周回」が鍵!

1周では無理

例えば生物であれば,一度完ぺきに事象を理解して覚えたらそれでokです。化学はそうはいきません。

どの分野を完全に理解するにも「化学的センス」の養成が不可欠で,全範囲を1周した後でないと,各分野の深い理解は進まないのが難しいところです。

「基礎」「典型」「発展」を意識しましょう

個人的に提唱したいのは,「基礎全分野1周」→「典型全分野1周」→「発展」と段階的に進んでいくことです。

これを同時にやろうとすると,いつまで経っても「化学が良くわからない」ままになります。

各分野について,この先3回に分けて説明します

では各分野の「基礎」「典型」「発展」では何をすべきなのか,市販の参考書にも言及しながら解説する記事を,次回以降お届けしていきます。

"違いを生む" 月1時間〜 の全科目学習コーチングや化学の指導/過去問添削にご興味を持たれた方は,お気軽にお申込み・お問い合わせください!