東大化学対策 ②分野別
理論・無機化学
前回に引き続いて,分野別の対策法について記していきます。理論化学と無機化学は,東大では融合しているところがあるので,大問2つ分ではありますが,まとめて説明します。
小問単位の典型問題は落とせない
東大の理論・無機化学では,
- 1個ずつぶつ切りになっている小問単位の知識問題/典型計算問題
- 一連の流れになっているゴリゴリ計算問題
の2つに分けることができます。
小問単位の問題は典型レベルの計算で収まることが多く,様々な分野から散らばって出される傾向があります。
高得点を取るには,もちろん落とせない問題群なわけですが,合格者と不合格者で一番差がつくのは,この問題群の出来なのです。
不合格者では,「やべ,いつのまにかあの範囲勉強していなくて知識忘れてた」「計算法はわかるけど時間がかかる…計算も合っている気がしない…」という状況になり,ポロポロ点がなくなっていってしまうのです。
「典型知識・計算」は入試直前まで繰り返さないとすぐ鈍る
どうしてそのような事態になるかというと,入試直前に過去問ばかり解いて,系統的な復習ができていない人が多いことが挙げられます。
残念ながら,化学の典型計算は演習しつづけないと瞬時に鈍ってしまいます。これが化学が理科の中でコスパ最悪科目たる所以なのです。
ただそんなこともいっていられません。時間をかけて,化学典型計算実行マシーンとなって,実行速度と精度を上げていくほかありません。
「ゴリゴリ計算問題」は場合によっては捨て気味に
ア〜オで小問単位の問題がでた後で,カ〜ケで一連の計算問題がでるケースは良くあります。大抵の場合,段々と問題が難しくなっていって,最後の問題は超絶めんどいラスボス計算が待っていることになります。
もちろん解いていかないといけないのですが,
「途中の設問でミスったと半分思いながら最後の問題まで解くも,やっぱり合っていない」
「1分で1点取れる問題が他に残っているのに,ラスボスに5分かけて0点だった」
という事態は避けなければいけません。解くなら答まであわせる,怪しいと思ったら深入りせずとりあえず試験時間の最後に回すを徹底することが重要です。
新演習や東大模試過去問で「ゴリゴリ問題」に立ち向かう訓練を
化学の新演習や東大模試過去問,東大の過去問(場合によっては京大の化学25カ年を使用してもok)を解くと,この手のゴリゴリ問題に多く出会うでしょう。
自宅での演習では「完璧にする」ことは意識しなくて良いので,「解いていて嫌な気持ちになるような,うざい問題に立ち向かう勇気」を養うことが重要です。
精神論ですが,「解けば正解できる」という心持ちがない限り,途中で絶対ミスか行き詰まるのが,むずい計算問題の特徴なのです。
化学のムズイ問題は,「1つ1つの手順は簡単,でもそれが組合わさりすぎてマジ勘弁」という境地なので,入試が終わった人であれば,この精神論に共感いただけると思います。
重点対策分野
東大では分野の偏りなく出題されますが,以下分野は特に頻出ですから,重点対策しましょう。
- 原子パラメーターについての論述問題
- 未知の結晶を題材とするゴリゴリ計算問題
- 熱化学単発問題
- ルシャトリエの原理記述問題
- 未知の平衡に関する平衡ゴリゴリ計算問題
有機化学
対策が困難になりつつある
構造決定以外の出題頻度が高くなっており,以下のようなテーマが頻出となります。
- 沸点,融点に関する話題
- 立体構造に関する問題
- 合成高分子ゴリゴリ計算
- 糖の高難易度発展問題
以上どれも,高校生が教科書に従った学習だけでマスターするのは難しく,有機化学のセンスが必要になるものばかりです。
出題者が東大のガチ有機屋さんの偉い方ですし,計算問題があまり出ない大問なので,それで差をつける問題を出そうとするとこうなるのは仕方がないといえば仕方がないのですが,高校生からすると酷だなぁとは思います。
「周りがとれる」ところは頑張る
前回記事でも書いたのですが,こういう場合重要なのは「周りと差をつけられない」ことです。
- 化学の新演習
- 鉄緑会東大化学問題集(KADOKAWA)
- 東大模試過去問
- 化学の新研究(がっつり読みすぎなくて良い)
を一通り解いたり読んだりして,吸収できるところはフルに吸収して入試に臨む,正直それしかないと思います。
「いや,もっと系統だって化学の神になるべきだ。新研究を完璧にすべし」という声も聞こえてきそうで,実際地方では新研究に頼らざるを得ないのでそうなっている気もするのですが,私は否定的です。
新研究自体はいい本だと思いますが,細かく書かれすぎていて,高校生からは重要度の濃淡がわかりにくいと思います。
新研究を細かく読みすぎて化学5点上げるよりも,同じ時間で他科目をやった方が5点以上点が上がる人が全生徒の95%,というのが永年の指導から得た私の結論になります。
おわりに
分野・単元別の習熟度,得意不得意に応じて個人専用アドバイスを行うことで,効率良く東大化学の点数を上げていくことができます。また,「やりすぎ」を防ぐことで総合点の上昇にもつながるのです。
東大化学対策のワンポイントアドバイスから過去問添削&コーチング,系統的指導まで,柔軟に承ります。全国よりお気軽にお申込み・お問い合わせください!

